校長あいさつ

ともに未来を切り開こう                                     

   

                  埼玉県立小川高等学校長 韮塚雄一

 

 

 

小川高校は、創立93年を誇る伝統校です。

 小川高校では、「考える」ことを重視しています。校歌には、「水のほとりにパスカルを語る叡智の葦もあり」という一節があります。フランスの思想家パスカルは、「人間は、ひとくきの葦にすぎない。自然の中でもっとも弱いものである。しかし、それは考える葦である。」と、人間の叡智の証として「考える」ことの大切さを表現しました。この「考える」ことが、本校の教育理念の根本として受け継がれています。

 

  「学び」には、様々な側面があります。何度も何度も繰り返すことで覚えたり、練習を積み重ねることでできるようになったり、失敗を通じて新たな考え方を身に付けたりと、皆さんは、多様な「学び」を実践していることと思います。こうした「学び」を支える基礎が、自分の頭で「考える」ことです。発達心理学の知見によれば、論理的に考える能力は、十代の前半から急速に高まることが知られています。十代の皆さんは、今こそ「考える」力を高めるために、新たな探究的な「学び」にチャレンジする絶好の機会です。

 

  社会に目を向けてみましょう。グローバル化と情報化が進む世界にあって、今、社会では「転換」や「変化」がキーワードになっています。社会の進歩が比較的安定していた20世紀に比べると、21世紀の社会は加速度的に社会が変わり始めています。それに伴い、私たちに求められる社会的な能力も、かつての「覚える」力から「考える」力へと、その比重を移しています。

 

 21世紀を生きる皆さんには、高校の3年間を通じて、こうした「考える」力を身に付けてほしいのです。「考える」ためには、体系的な「学び」が必要です。人間は、先人たちの叡智をもとに「考える」ための学問体系を作り上げてきました。自然科学や社会科学の学問的な学びこそ、「考える」ための必要条件です。本校では、授業の中で「考える」力の育成取り組むと共に、文部科学省の研究指定をいただき、探究的な学びを実践的に学ぶ「おがわ学」にも取り組んでいます。身近な小川町の豊かな自然や伝統、文化、地域の人々との交流など身近な教育資源を題材とし、自然科学や社会科学の方法を用いて様々な課題を見出し、その解決に向けて「考える」実践的な学びです。「考える」ことを本校でしっかり学んだ生徒が、やがて変化の先にある新しい社会の担い手として活躍してくれるものと確信しています。

 

 全日制課程では、生徒一人一人を大切にし、その学問的・人間的な力を伸ばすべく様々な教育活動に取り組んでいます。「進学選抜クラス」では、特別な進学指導体制で難関大学を目指す生徒をサポートします。「普通クラス」でも、2年次から文系・理系に分かれ自分の得意分野を伸ばし、様々な進路の実現に対応しています。部活動も、30の運動部・文化部・同好会があり、全国大会23年連続出場の少林寺拳法部をはじめ、多くの部が県大会などで上位の成績をあげ活躍しています。生徒会の活動も活発で、文化祭の葦火祭をはじめとした生徒の自主的な活動により、互いのふれあいを通じて人間的に大きく成長することができます。

  

 定時制課程では、働きながら学んだり、学び直しの再チャレンジとして学ぶなど多様な目的や進路希望を持った生徒たちが仲間と共に学習に励んでいます。修学旅行、文化祭・体育祭などの行事に加え、校内成人式など定時制課程ならではの行事も盛んです。自分の可能性に真正面からチャレンジする生徒たちが、夢の実現を目指してがんばっています。

 

 皆さん、ぜひこの小川高校で学び、充実した高校生活を通じて未来を切り拓く力を育んでください。みなさんの入学を心よりお待ちしています。     

 

令和3年4月吉日