校長あいさつ

今、「考える」とき!

                                  埼玉県立小川高等学校長 韮塚雄一

    

 小川高校は、創立92年を誇る伝統校です。

 小川高校では、「考える」ことを重視しています。校歌には、「水のほとりにパスカルを語る叡智の葦もあり」という一節があります。フランスの思想家パスカルは、「人間は、ひとくきの葦にすぎない。自然の中でもっとも弱いものである。しかし、それは考える葦である。」と、人間の叡智の証として「考える」ことの大切さを表現しました。この「考える」ことが、本校の教育理念の根本として受け継がれています。

 

 今、私たちは、これまでに経験したことのない変化の中にいます。未知の感染症が全世界を覆い危機に直面しています。この危機は、私たちの生活や命さえ脅かすほどの危機です。人の命だけでなく、社会システムそのものに大きなダメージを与えるほどの危機です。

 しかし、私たち人間には「考える」という叡智があります。どうすれば安全に生活できるのか、どうすれば安心して学べるのか、自分がどう行動すれば感染症の抑止に協力できるのか、どうすれば新しい社会を構築できるのか。氾濫する様々な情報の中から、科学的な根拠のしっかりした情報を選び取り、その情報をもとにこれらの問いについて「考える」ことで、未知の感染症に打ち克ち、私たちの未来を切り拓くことができるのです。

 「考える」ためには、しっかりとした学びが必要です。人間は、先人たちの叡智をもとに「考える」ための学問体系を作り上げてきました。自然科学や社会科学の学問的な学びこそ、「考える」ための必要条件です。本校では、昨年度から文部科学省の研究指定をいただき、「おがわ学」に取り組んでいます。地元、小川町の豊かな自然や伝統、文化、地域の人々との交流など身近な教育資源を題材とし、自然科学や社会科学の方法を用いて様々な課題を見出し、その解決に向けて「考える」実践的な学びです。「考える」ことを本校でしっかり学んだ生徒が、やがて変化の先にある新しい社会の担い手として活躍してくれるものと確信しています。

 

 全日制課程では、生徒一人一人を大切にし、その学問的・人間的な力を伸ばすべく様々な教育活動に取り組んでいます。「進学選抜クラス」では、特別な進学指導体制で難関大学を目指す生徒をサポートします。「普通クラス」でも、2年次から文系・理系に分かれ自分の得意分野を伸ばし、様々な進路の実現に対応しています。部活動も、31の運動部・文化部・同好会があり、全国大会22年連続出場の少林寺拳法部をはじめ、多くの部が県大会などで上位の成績をあげ活躍しています。生徒会の活動も活発で、文化祭の葦火祭をはじめとした生徒の自主的な活動により、互いのふれあいを通じて人間的に大きく成長することができます。

 定時制課程では、働きながら学んだり、学び直しの再チャレンジとして学ぶなど多様な目的や進路希望を持った生徒たちが仲間と共に学習に励んでいます。修学旅行、文化祭・体育祭などの行事に加え、校内成人式など定時制課程ならではの行事も盛んです。自分の可能性に真正面からチャレンジする生徒たちが、夢の実現を目指してがんばっています。

 小川高校には、「おがわ学」をはじめ、活気あふれる部活動、生徒主体の生徒会活動、熱心で指導力ある教師、そして地元の小川町と地域の皆様のご支援など、充実した高校生活が待っています。

 みなさん、ぜひ、この小川高校で学び、充実した高校生活を通じて未来を切り拓く力を育んでください。みなさんの入学を心よりお待ちしています。

 

                                       令和2年4月吉日